2.抽象的思考:価値観
2-1.人生観
自分に本質的な問いを投げかける
-
2-1-2.本質的な問とは
コンテンツの図示※マウスオーバーで拡大
では、本質的な問いとは何でしょうか。どのような構造になっており、どのようなステップで考えればよいのでしょうか。
上記の通り、仕事で喜びを得るためには、自分の価値観を思い定め、しっかりとした人生の生き方の軸を構築する必要があります。
そのためには、なぜ生きるのか、何のために生まれてきたのか、幸せとは何か、何に喜びを感じるのか、どのような人生を送りたいのか、どういう自分でありたいのか、死をどうとらえるか、個々人で差はあるものの、おおむねこの問いに集約されます。
これらを体系化して、ステップで整理すると、本質的な問いに対する答えが得られます。
本質的な問いは、結局「自分とは何か」あるいは「何のために生きるのか」ですから、これに対する答えはすなはちあなたのビジョンです。
この体系化した構造を、ビジョンフレームワークと呼んでいます。ビジョンを導き出すために、本質的な問いを整理して構造化したフレームワークです。 -
基盤とした名著:西田幾多郎『善の研究』
名著の教えの図示※マウスオーバーで拡大
西田は、近代の西洋哲学が確立させた、認識する主体/認識される客体という二元論を乗りこえるべく、「純粋経験」という概念を考案した。
主体と客体は抽象化の産物にすぎず、実際に我々にもともと与えらえた直接的な経験には、主体も客体もない。
たとえば私たちが音楽に聞き入っているときには、「主体」が「対象としての音楽」を把握しているのではなく、主客未分の純粋な経験がまず根源にある。そこからさまざまな判断や抽象化を経て、主/客の図式ができあがる。
経験の根源である「純粋経験」に立ちもどらなければ、真理は見えてこないと西田はいう。
純粋経験を考えることが、自分を理解する第一歩となる。