2.抽象的思考:価値観
2-1.人生観
自分に本質的な問いを投げかける
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2-1-9.長生きは絶対的な善か
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前回の死に関連して、長生きについて考えてみます。
人生100年時代といわれ、多くの人があたりまえのように80歳ごろまで生きていますし、若い人も当然そのあたりまで生きると思っています。
しかし、100年生きること、長生きすることを前提すべきではありません。
もちろん計画と準備はするべきですが、前提つまり絶対的なものにすべきではありません。
そうなった瞬間に、そこに縛られます。長生きが最優先に来てしまいます。
命は、天から与えられたものであり、その命を使って誰かに何かを与え喜びを得、幸福な人生を送るためにその命を使う以上、最優先は誰に何を与えてどんな喜びを得るかです。それを行い続けるために、健康でありつづける努力は当然すべきですし、長生きした場合の準備と計画も必要です。
しかし、前提に置くということは絶対的な条件にするということです。
それはこれまで述べてきた生死は自分の制御の範囲外にあり天から与えるもの、という命を謙虚にかつ重くとらえるおこないとは真逆です。
前提においてしまうと、前提を前提でい続けさせるために、それが最優先となります。
そうすると、長生きが最優先となり、安定した収入が最優先となります。
何によって収入を得るかではなく、安定が最重要となってしまいます。
自分自身と真正面から向き合った結果なら、その考え方は正解なのですが、そうでないのになんとなく絶対に長生きすると思っており、老後を不安に思って収入の安定さを求めてなんとなく仕事をする人は、命に対して傲慢と言わざるを得ないでしょう。
そしてそれは本当の自分ではないので、当然仕事へのモチベーションも湧かず、努力しないため能力も向上しません。会社にとってはお荷物ともいえます。
一方で、その会社を通じて成し遂げたいことあるいはなりたい自分がある人は、根源的なモチベーションがあるので、努力し成長します。
会社としては、全社員がそうあれば理想ですが、現実はそうではありません。
だから、長生きは前提におくべきではないのです。
あなたの人生と心を壊しかねません。
例えば、あと3年で死ぬと考えたときに何をしますか?その時ですら今の会社で●●を成し遂げる、と言えて本当の自分と今の会社が合っているといえるわけです。
長生きは前提ではなく手段だととらえるべきです。 -
基盤とした名著:司馬遼太郎『竜馬がゆく』
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坂本龍馬の生死観はまさに天から与えられるものであり考慮の外に置くというものであった。
そのため、やるべきことをやる、そのことだけに意識を集中できました。