3.抽象的思考:世界観
3-1.業務観
業務とは何か
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3-1-1.業務とは何か
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前章では価値観を仕事に当てはめた場合の考え方を提示しました。
価値観とは自分とは何かであり、自分を理解するために、自分におけるもっとも重要な何のために生きるのかあるいは死生観を確立し、なぜ今の仕事をやっているのか、という人生における仕事そのものや今の仕事の位置づけを明確にしました。
本章では、価値観のつぎに位置する世界観です。
世界観とは、世界とは何かであり、世界を構成する概念や仕組みを定義・理解することです。
今回は仕事に特定したLife Doctor Workですので、仕事における概念の定義や仕組みの理解、つまり会社の業務における概念や考え方の定義を行います。具体的には、業務とは何か、業務をどうとらえるべきか、業務遂行においてどのような考え方をすべきか、といった、内容です。
業務とは、ある目的を達成するために、自社や他者を巻き込み、物事を円滑に進めるためにやるべきことを指します。
目的達成のための手段です。
業務は、与えられるものではなく、自分で見つけるものです。
担当案件のアサインなどは会社側が行いますが、それ以降は、大きな目的や目の前の小さな目的を設定し、それを達成するために誰が何をすべきかを考えて、自らやるべきことを考え行うものです。
具体的には、担当案件の背景・現状・課題・ゴールをよく理解し、ゴールに到達するために、どういうスケジュールでどういうステップが必要か描き、各ステップを分解不可能な段階まで要素に因数分解し、細かい要素まで洗い出しスケジューリングを行うというタスク設計を行います。
その後、タスク設計に基づくシミュレーションを行い、次の5手の仮説を構築します。
それをやれば、自ずと今やるべき仕事、明日やるべき仕事がでてきます。
その意味で仕事とは与えられるものではありません。
目的は会社が与え、目的を達成するために発生するタスクを業務と呼び、そのタスクは自ら見出すものです。
当然それ以外にも、会社の指示や他社からの依頼などで仕事はでてきますが、基本業務である担当案件については、自ら業務を洗い出すことが重要です。
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基盤とした名著:ショーペンハウアー『幸福について』
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目先の環境に振り回されるのをやめ、すべては空しいと諦観することで精神的落ち着きを得るべきである。
世俗的な幸福の源泉を人のあり方・人の有するもの・人の印象の与え方に大別した上、肝心なのは「人のあり方」であるとする。
多くの人は人の有するものを注視しがちだが、重要なのは人の在り方ととく。この点はアリストテレスと同内容。
自分がどうあるべきかを思い描くこと、それが理性や理想的であること、そしてそれを追求していくことが幸福の道であるという。