3.抽象的思考:世界観
3-2.業務の考え方
名を背負うということ
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3-2-2.会社の名声
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<会社の名を背負う>
どんな業務でもどんな立場でも、メールだろうが打ち合わせだろうが、一旦社外の人間とやり取りをするという意味で表にでたら、他社からみれば、あなたがその組織の担当であり代表です。
あなたの印象が、一挙手一投足が、あなたの提供する価値が、その組織の印象・評価を決定し、名声につながります。
つまり、あなたは会社の名前を背負っているわけです。
組織の名を背負うからには、価値にはこだわり、あらゆる準備をする必要があります。
その意識がないと、なんとなく業務をこなす、単なるフォローワーまたは足手まといになってしまいます。
<会社の名の背負い方>
一方で、ただ単に、組織の名を背負うことは当たり前であり、普通のことです。
なぜなら、会社の一員として業務を行っていれば、結果的には誰でも背負っていることになるからです。
但し、その意識に濃淡があります。
人より一歩先に行くには、薄く背負うのではなく、濃く徹底的に背負う意識を持つ必要があります。
徹底的にとは、その組織の経営者・代表者という意識でいること。
そうすれば、自ずと自分のアウトプットの質が非常に気になり、視野は広がり、視座は高まります。
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基盤とした名著:オルテガ『大衆の反逆』
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社会のいたるところに充満しつつある大衆。
彼らは「他人と同じことを苦痛に思うどころか快感に感じる」人々。
急激な産業化や大量消費社会の波に洗われ、人々は自らのコミュニティや足場となる場所を見失ってしまっている。
その結果、もっぱら自分の利害や好み、欲望だけをめぐって思考・行動をし始める。
自分の行動になんら責任を負わず、自らの欲望や権利のみを主張することを特徴とする「大衆」の誕生。
20世紀にはいり、圧倒的な多数を占め始めた彼らが、現代では社会の中心へと躍り出て支配権をふるうようになったとオルテガは分析し、このままでは私たちの文明の衰退は避けられないと警告する。
オルテガは、こうした大衆化に抗して、自らに課せられた制約を積極的に引き受け、その中で存分に能力を発揮することを旨とするリベラリズムを主唱。
そして、「多数派が少数派を認め、その声に注意深く耳を傾ける寛容性」や「人間の不完全性を熟知し、個人の理性を超えた伝統や良識を座標軸にすえる保守思想」を、大衆社会における民主主義の劣化を食い止める処方箋として提示する。
現代もICT技術の発展で大衆の声に力が宿り、類似した状況となってきている。この状況下で、オルテガの主張するように、制約や役割や社会的意義を思考して行動する必要がある。