3.抽象的思考:世界観
3-3.業務遂行
オーナーシップ
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3-3-1.オーナーシップとは
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実際の業務遂行にあたっては、自分の案件に関わる全ての業務は自分の仕事というオーナーシップを持つことが最も重要です。
「自分はサラリーマンだから」「自分が与えられた範囲はこれだから」ではなく「当然与えられた範囲に全力投球しつつも、この案件の全てを取り仕切るのは自分だ」という意識がオーナーシップの意味です。
オーナシップを持つことで何か問題が起きないように、事前にやるべきことを洗い出したり、リスクを洗い出して対処を先にしておいたり、といった先手の仕事ができるようになります。そうすると、この案件をどうしたいとか、このメール一本をどうしなきゃいけないといった自分の意思が生まれます。
また、同様に、自分がオーナシップを持つ仕事である以上、会社と自分の名前を懸けて、きちんとしたパフォーマンスを出さねばならないというプロ意識も生まれます。
この結果として、常に判断する意識が導出されます。自分の意思で判断をすれば、その結果を見て、さらに良い判断ができるよう反省する「内省思考」が導出されます。
この判断する覚悟と意識こそが自分の飛躍的な成長につながります。なぜなら、判断には常に失敗のリスクが付きまとうからです。しかし、最も難しいからこそ価値が高く、判断をできる人がリーダーとなれます。
逆に、リスクを恐れすぎて判断しない人、オーナーシップがないゆえに判断する局面にすらならない人をフォローワーといいます。フォローワーは、オーナーシップがないので、リーダーの指示を遂行するのみとなります。
したがって、オーナシップがなければ、自分の意思もプロ意識も生まれず、それゆえ自分を成長させることはできないし、周りの評価を得ることもできません。永遠にフォローワーで、誰かの指示のもとに指示の通りに業務をおこなすだけで終わってしまいます。
オーナシップを持つためには、意識することももちろん大事ですが、人間の意識はあいまいで脆く希薄であり、意識以上に、必然的にそうなる仕組み化=構造化を行うことが最も有効です。
今回の場合は、オーナシップが自然に生まれるようにすればよく、そのためには、これまで出てきた生き方の軸からマイストーリーを構築し、業務観を自分の中で構築し、今の会社や今の仕事や今目の前のタスクが自分の人生の中でどういう位置づけにあるかをきちんと理解できていれば、自然かつ必然的にオーナーシップが生まれる仕組みとなります。
会社に入って「先手の仕事をしろ」と言われることがあると思いますが、その本質はオーナーシップなのです。
そしてオーナーシップを持てれば、覚悟と責任が生まれ、それゆえに自分の意思とプロ意識が醸成され、その結果判断する局面が増加し、自分を飛躍的に高められることが可能となります。それは周囲からの評価につながり、素晴らしいキャリアの大きな一助となります。
オーナーシップこそが、良い仕事、思い描く人生のための戦略において、最も重要なものだといえます。 -
基盤とした名著:アドラー『人生の意味の心理学』
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アドラーの思想は、過去の原因ではなく未来の目的を重視し、人間は自分自身の力で人生を意味づけ変えていくことができるという、ポジティブな人間観に貫かれている。
自分が人生の意味付けを決めて変えていくことができるからこそ、人生の方向を決める就活において、その意味付けを考える必要がある。
オーナーシップの源泉は、責任感ではなく、「その仕事・タスクの自分の人生における位置づけが明確化していること」である。
その業務やタスクが重要な位置づけであることが明確化できていれば、構造的に責任感・プライドが出てくるため、それがオーナーシップとなる。