3.抽象的思考:世界観
3-3.業務遂行
敬意
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3-3-9.なぜ部下は言うことを聞くのか
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部下の定義から、こちらも同様に上司である以前に同じ会社の仲間として目上(年上)の存在、自分より優秀、また社会人対社会人や人間対人間の関係において人格的に素晴らしい、といったかたちで重層的に構成される。
一般的には最も表層の会社の上司であるから指揮命令を聞かなければならないだけではなく、上記の重層的な観点から「指揮命令を聞くべき、あるいは聞いた方がよい」という別の観点も内包している。
これに気が付かずに、表層の上司だからという短絡的な観点のみしか持たず、部下からもその点でのみしか見られていない場合、「この人の言うことを聞くべき、聞いておきたい」という観点が部下から失われ、仕方なくいやいやいうことを聞くようになってしまう。
そうなると、内から湧き出るものがなにもないため、パフォーマンスのクオリティは低下する。
部下に指示を出す人間であるならば、部下がやる気に満ち溢れるように、まずは自分の人格を磨き部下からこの人の言うことを聞きたい、と思わせるようになるべき。 -
基盤とした名著:デカルト『情念論』
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デカルトにとって精神の経験には精神が新しい経験を獲得する場合の受動と精神が経験の原因となっている場合の能動の二種類があり、精神の能動・受動性は身体の能動・受動性と逆になるように相互に作用する。
前者は知覚または認識であり、後者は意志のはたらきであるとデカルトは見なしている。
そして人間の情念とは動物精気が運動することによってもたらされ、動物精気が血中を通じて脳に到達することで情念が表れると論じる。
特にデカルトは情念の原因が脳の中央に位置する松果腺にあると考え、身体運動の原因でもあると考えていた。
デカルトはさまざまな種類の情念を検討しているが、まず基本的な情念として愛、憎しみ、欲望、喜び、悲しみ、驚きの六つがあり、これらが複合化することによって情念は複雑化していく。
情念の働きを抑制するためにデカルトは謙遜、勇気などの徳を守ることを主張しており、知恵とは情念を支配する意義があると分析している。