4.抽象的思考:視座・視野
4-2.視野
構造と位置を把握する
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4-2-13.切り口を意識する
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物事を進める、進めるための検討や議論を行う際、自分や相手がどの切り口からの見解を述べているのか常に意識する。
切り口には、概念の種類=時系列・抽象度とか、立場=オペレーションやマーケティングだったり、と様々にある。
例えばリンゴ一つとっても図のように様々な切り口がある。人によって異なる。
誰がどの切り口からいっているのかの整理がつけば、対応方針の策定等で検討や議論の結論として、この切り口のこの部分は考慮すべきなどの、部分最適箇所の取り込みができる。
切り口の整理がなければ、二者択一のように、全体を排除してしまい、もっと良化できたものが、取り込まれずに終わることがある。
また、意見がぶつかり合い停滞したときに、どちらの切り口がより重要かが分かれば、どちらの意見を優先すべきかが論理的にわかる。
切り口の意識と整理なしには、建設的な議論はなされず、思い付きの意見のぶつかりあいで、論理的な展開や決定にはならず、停滞する。
大半の議論の停滞の要因は、非論理的な思い付きアイデアのぶつけあいで、どれを優先するかの論理的な判断基準がないからであり、これらの問題は切り口への意識によって大部分解消される。 -
基盤とした名著:ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』
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世界は私の意志と表象である。
我々の表象としての世界は「根拠の原理」という変換装置を介して認識されており、これには4つの原理がある。
その4つの原理とはすなわち
①生成の根拠の原理、すなわち因果の法則。
②認識の根拠の原理、すなわち論理法則。
③存在の根拠の原理、すなわち時間・空間の純粋直観。
④行為の根拠の原理、すなわち動機付けの法則である。
根拠の原理は、この表象としての世界を説明する全てである。
すなわち、この世界に生ずる現象はすべてこの根拠の原理から成っているのであり、科学のすべての導きの糸にもなっている。
いいかえると、この世界に生ずるあらゆる事物に例えば「何故?」とその根拠を問うなら、それは最終的に、この根拠の原理の4つのどれかにたどり着かざるを得ないということになる。