4.抽象的思考:視座・視野
4-2.視野
ポジションを構築する
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4-2-3.強きを向かい弱きを守る
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<目上にこそ強気に>
上司含めた目上には当然礼節は持ちつつも、使い倒す、言うべきことはきちんという、といった強気の対応が不可欠。
会社の観点では、上司の言いなりであれば、上司以上の成果や発想が出てこないため、成果の向上にはこちらの方がよい。
個人の観点でも、毅然と自分の意見を述べられることはそれだけ考えているからでありそれだけ思いがあるからであり、礼節と論理を欠いた生意気な態度でない限り、評価は上がりこそすれ下がることはない。
上司としても自分の考えをさらに向上させるために意見を言ってくれる部下は貴重。
上司が間違っており、それを礼節以て指摘した結果、激昂されたとか評価を下げられたとかあったとしても、それは一時的かつ短期的なもので、そのような器量の人は早々に責任者ポジションを外されるはずであるため、心配すべきことでない。
仮に外されず益々昇進していくなら、その程度の会社と見切りをつけるべき。自分の考えを言わずイエスマンとなることは、
自分に関心を持ってほしい、評価されたいと思っているが相手には何も与えない双方向で支え合う関係になっていない。
<目下にこそ優しく丁寧に>
上記とは逆に、若手、新入社員、事務職員、契約社員、派遣社員等、弱者をこそ、優しく丁寧に指導し、時には守るべき。
なぜなら、弱い立場の人ほど誰についていくべきかが重要でそれゆえに良く人を見ており、さらにそれを共有すると考えられるからである。
したがって、弱い立場の人からの評価が高ければそれは広まりやすく、自分のポジションの確立に直結する。
また、会社としては、弱い立場の人もパフォーマンスを発揮するようになれば会社全体の成果にもつながる。
それらの意味で、弱者を守り育てる発想が必要。
具体的には、自分が業務をふるときには、依頼やお願いというスタンスで行い、ゴールやプロセスやアウトプットイメージを明確にすること。
職制上明確な上下でなければ指示であるべきではない。
弱者をいびる最もよくある事例が、自分もアウトプットイメージを明確に言語化できておらず依頼内容が不明瞭であったにもかかわらず、いざでてきたアウトプットをみて、思ってたのと違うと弱者の責任にするパターン。
内省思考の考え方では、依頼相手が成果を出すのに必要な説明等をしなかった自分をこそ反省すべきである。
ただし、本当の優しさは、必要な局面ではココロを鬼にして谷底に突き落とすことも必要であり、仲良く馴れ合えという意味では決してない。 -
基盤とした名著:クニッゲ『人間交際術』
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著者は、18世紀後半のドイツの男爵にして宮廷詩人です。
君主フリードリヒの信頼を受けて活躍した時期もありましたが、周囲の陰謀によって失脚しました。
著書『人間交際術』の初版は1788年に出版され、大ベストセラーになりました。
ヨーロッパでは100年以上読み継がれてきている名著。
今回の該当部分:「自分に関心を持ってほしいなら、まずあなたが人に関心を持ちなさい。仲間意識を持たず、友情、思いやり、愛情に欠け、自分のことしか考えずに生きている人は、援助してほしいと思うときがきても、誰も手を差し伸べてくれず、自分で何とかするしかありません。」