4.抽象的思考:視座・視野
4-1.視座
求心力
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4-1-4.求心力とはなにか
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人のココロをつかむ力。
この人についていけば大丈夫、という信頼を得る力。
求心力に必要なのは強い敬意です。敬意の構造は「3-3-7.敬意とは何か」で提示した通りであり、各段階がそれぞれ圧倒的な水準にあるということです。
具体的には、深い思考と人格(価値観・世界観)、高い視座と広い視野が重要であり、プラスアルファで、信頼するに足る経験・知識・能力、などです。
一般に言う優秀さのみでは、信用はされても信頼はされません。
人に頼られるには、利己を超える思考と行動が必要であり、そのため深い思考が重要となります。
求心力が人を引き寄せる力、リーダシップは引き寄せた人を率いる力。
求心力がなければリーダシップは生まれないため、求心力の主要な構成要素と位置付けられます。 -
基盤とした名著:ヒューム『人間本性論』
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ヒュームは人間の知覚が印象と観念に区分されることを指摘しており、印象は感情や感覚、感動などの力強い刺激を含み、観念とは感情の動きを伴わない映像に過ぎないと捉える。
観念と印象は密接に関係しており、単純な観念は単純な印象から派生するものであり、印象は観念を生み出す基盤である。
ヒュームはこのような議論に続いて七種類の哲学的な関係として類似、同一、時空の関係、量数の割合、性質の度合い、反対、因果を列挙して順に検討している。
その上で人間には個々の印象を関係付け、または結合させる観念として所信が機能していることを指摘する。
ヒュームは悟性だけでなく感情面についても分析を加えており、感覚の印象が詳細に分類されている。
まず印象は感覚的印象と身体的快苦に大別され、さらに二次的な印象である反省的な印象は美醜を識別する静態的なものと愛憎や悲喜を識別する動態的なものに分けられる。
さらに感情は直接感情と間接感情からも区別されており、善悪や快苦から派生する欲求、嫌悪、悲しみ、喜び、希望、恐怖、絶望、確信という直接感情と自負、卑下、名誉、虚栄、愛、嫉妬、憐れみ、悪意、寛容など複数の性質を伴う間接感情があるとされる。
道徳についてヒュームは正と不正が印象によるものであるのか、観念によるものであるのかを検討しており、それが概念による把握ではなく感じるものであると述べている。
その上で美徳を自身にとって快適なもの、他人にとって快適なもの、自身にとって有用なもの、他人にとって有用なものと、四区分しながら最後の部類に含められる親切心や正義が社会的には重要な美徳であると評価する。